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ライフレイを知る
ライフレイという会社 - Built in LA インタビュー
弊社の米国本社CEO,ブライアン・チャンへのインタビューを通じ、弊社の企業文化をご紹介します。
この度、ライフレイのウェブページにて新しいブログが開設されました。日本における、企業としての『ライフレイ』と、DXP製品としての『Liferay DXP』、両方の認知度と理解度の向上、そして日本のライフレイファンが一人でも多く増えるよう、コーポーレートサイトのコンテンツだけではお伝えしきれない情報をお届けできればと思います。
海外マーケターによる英語翻訳記事や、日本ライフレイによるオリジナル情報、技術的な情報など、少しでも皆様の役に立つ情報を公開していきます。
さて、記念すべき一つ目の記事では、製品紹介やマーケティングのトレンド情報ではなく、『企業としてのライフレイ』を知っていただけるコンテンツをご紹介します。
本コンテンツは弊社CEOであるBryan Cheung(ブライアン・チャング)のBuilt In LAという海外メディアでのインタビュー記事「how to build a successful startup without any VC funding (ベンチャーキャピタルの融資無しで、スタートアップを成功させるには)」の内容を翻訳、編集したものです。
こちらの記事の後半にBryan Cheungが登場し、ライフレイの『ベンチャーキャピタルから融資を受けない経営方針』に関して質問を受けています。Bryanの回答の中から、ライフレイという会社の起業背景や成り立ち、今後も変わることのない基本的な信念を垣間見ていただけるのではないかな、と思っています。
ライフレイって何者なの?と疑問を抱かれている方々、ぜひご覧ください。
Q(インタビュワー): ライフレイがベンチャーキャピタルから融資を受けていないのはなぜでしょうか?
A(ライフレイCEO ブライアン・チャング Bryan Cheung):
融資を受けると大半の場合、企業の所有権と管理権と引き換えに、企業の規模拡大・成長能力を得ることになります。同業他社が追随することが難しくなるという正当かつ魅力的な利点があるため、融資を受けることに所有権を引き渡すだけの価値が出てきます。つまり、保有する所有権の割合自体は小さくなりますが、全体としての企業価値は大幅に上昇するわけです。
企業にはビジネスゴールを達成するために多額な予算が必要となることが多々ありますが、幸いなことにライフレイのゴールは、資本や資金によって制約されるものではありませんでした。ソフトウェアは製造コストが低く、またオープンソースという流通モデルのおかげで、マーケティングや営業にかける費用を最小限に抑えられたのです。ビジネスを立ち上げるのに資金はもちろん必要でしたが、サポートなどのプロフェショナルサービスを提供して自力で工面することができました。
私たちは自社所有権を100%保持してきましたが、これは現在、非常に大きな利点となっています。お客様やパートナー、社員、そしてオープンソースコミュニティのメンバーなどの間で、優先順位が競合した際にバランスを保つことができますし、ベンチャーキャピタルが時折要求するような不健全な成長よりも、私たちの価値やビジョンを優先させることも可能なのです。
企業を有機的に育てていくと、それが良い規律を築き上げ、しっかりした土台が生まれると私は思っています。私たち人間というものは、資金が潤沢で制約が一切ない環境で作業すると、つい調子に乗ってしまいます。特異な事態ばかりではなく、例えば、過剰雇用をした後に人員削減を行わなければならなくなるといったような単純な事態も引き起こしてしまいます。私は生まれも育ちもロサンゼルスですが、今、その多様な文化や産業、社会経済がロサンゼルスという街をとても興味深い場所にしていると思います。融資を避けることで、自分たちの街に貢献できることを成功指標のひとつとするような、有機的な企業を築き上げることが可能になると思っています。
Q: 設立当初に融資を受けないと決定したプロセスを教えてください。
A:
私たち創立者が20代半ばでライフレイを起業する前、世界に良い影響を最大限に与えられる方法を考えていて、非営利事業にするのが最も効果的だと思いました。しかし、市場で実際に価値のあるスキルを作り出し、それを人々に教えることで社会の役に立つということにも大きな価値があるという周りの意見もあり、徐々に、非営利事業ではなくビジネスを構築したいと思うようになりました。
当初は利益を非営利団体などの支援に使いたいと単純に思っていましたが、雇用創出、地方納税、地元のコミュニティの一員になることなどによって、ビジネスそのものが社会の役に立つ手段になることに気付きました。そして、商業用オープンソースである私たちのソフトウェアは、コスト意識が高い団体にも大企業の需要にも対応可能ですので、社会に変化をもたらす役割を一部担えることも明らかでした。なお、非営利団体が担う役割はまだ非常に大きいので、営利を追求していては取り組めないような使命を請け負っている団体に対する金銭的支援をライフレイは継続しています。
こうして自分たちがビジネスを立ち上げる理由は揺るぎないものとなり、融資を受ける可能性も幾度となく探ってきましたが、その点に関しては妥協しないということが重要でした。 現時点で、融資を受けることは私たちの目標を達成する役には立たないと思いますし、今日までに達成してきた業績に満足していますので、このまま独立してビジネスを継続していけると思います。
Q: その決断には、どんな困難が伴いましたか? また、ライフレイが成長するにつれてどのような弊害が生じましたか?
A:
融資を受けていたら、成長と成功に出資することに関してもう少し大胆になれたかもしれませんが、先ほど申し上げた通り、これには賛否両論があります。企業の資金が自分のお金同然であれば、問題が起きたとき、お金で解決しようとするのではなくて、独創的な解決方法を見つけようとします。また社員を雇用する際には非常に慎重に検討し、その結果、確固とした社風を作り上げています。ライフレイの社員はライフレイのビジョンと価値を買ってくれていますが、これはお金では買えないものですよね。
融資を受けていた場合、可視性とコネクションをもっと得られていたかもしれないという点は、よく考えます。著名人が取締役会にいたら良いですし、頭の回転が速いベンチャーキャピタリストにアイディアを次々と出してもらえたら最高です。しかし、私たちが選んだ道では自分たちで色々と考え出すしかありませんでした。
また、ニューヨークタイムスやウォールストリートジャーナルなどで報道されるのは、融資を受けた企業だけの「利点」かもしれないとも考えました。しかし逆に報道されないことで絶えず自己確認を行うようになりますし、露出がないことの引き換えとして企業の管理を保持できることにはそれだけの価値があると思っています。
Q: ライフレイの判断が間違っていなかったと分かったのは、いつですか?
A:
疑問と確信を行ったり来たりです。IT産業が好景気のときは融資を受けるべきだったかもしれないと思いますが、そこで風向きが変わったりすると、判断は正しかったと思うわけです。
昨年入手した資料によると、より多くの企業が非公開のままでいることを選択しており、また、より多くの企業が融資を受ける時期を可能な限り遅らせているというデータが示されています。創立者でもありチーフソフトウェアアーキテクトのBrian Chanに「私たちがこの10年間やってきたことがあるだろう?どうやら、トレンドになったみたいだぞ」と言ってそれを見せました。その資料によっても、私たちの判断の正当性が強力に後押しされましたね。
多くの企業にとって、融資を受けることが最終的には正しい判断なのかもしれませんが、後戻りはできない選択ですので、その判断を下す前にじっくりと真剣に考慮することを強く勧めます。前回オーストラリアを訪れた際、オラクルとJD Edwardsで働いていた弊社の営業担当と夕食を共にしました。JD Edwardsは株式を公開した後、いくつかの変遷を遂げて最終的にオラクルに買収されるのですが、彼女は株式公開前のJD Edwardsがどんなに特別な会社だったかということ、そしてライフレイとの明らかな類似点を口にしていました。食事を終える少し前、彼女は私にこう言ったのです。「ライフレイを絶対売却しないでください」と。私はそうした瞬間に、融資を受けずに独立した企業のままでいようとした選択が正しかったと、確信できるのです。
本オリジナル記事はこちらからご覧いただけます。
いかがでしたでしょうか?
ライフレイという企業の信念や目標について、少しでも知っていただくことができていたらとてもうれしいです。
他、英語の記事で気になるものなどがあるけど「英語で理解しづらい…」ということであれば、お気軽にお知らせください。
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