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用語解説
デジタルビジネスとは?
最近よく耳にするようになった「デジタルビジネス」という言葉を、台頭背景とともに紹介します。
デジタルビジネスとは
デジタルビジネスとは、テクノロジーを活用することで、既存のビジネスモデル、カスタマーエクスペリエンス(CX)、コアビジネスに関わる社内業務に新たな価値や収益を生みだすビジネスモデルのことです。この言葉は、ITを専門とする企業だけでなく、従来の事業をデジタル技術によって変革する企業にも用いられます。
近年、人々の消費はオンラインへと劇的にシフトしており、デジタルによるビジネスの収益源や獲得チャネルがより重要視されるようになりました。デジタル経済の発展によって、人々はデジタル製品やサービスとより密接に関わるようになったため、企業は新しいデジタル領域で事業の付加価値や優位性が求められるようになったのです。
デジタルビジネスとは、ただオンラインセールスを可能にすることではありません。アクセンチュア社によると、デジタルビジネスとは、デジタル技術とハード技術をユニークに組み合わせることによって創造される、優位性の高いビジネスのことであり、他社ができないサービスを提供することによって、その競争力を確保するビジネスモデルのことであるとされています。
デジタルビジネスの共通ポイント
デジタルビジネスの正確な定義は、業界専門家によってそれぞれ異なる解釈があります。米ITアドバイザリ企業である ガートナー社は、デジタルビジネスとは 「従来のビジネスでは創造できなかった新しい価値、ビジネスの機会を生み出すことである」 と定義しており、一方マッキンゼー社は、 「デジタルサービスは目に見えるものだけに留まらないゆえに、様々なかたちでの提供が可能」 という点を強調しています。
共通しているのは、デジタルビジネスとは、新しい価値・サービスを提供するスタートアップビジネス、あるいは既存ビジネスモデルでは不可能であった成長、収益、パフォーマンスの向上をデジタルテクノロジーで実現することのどちらか(あるいは両方)を指すという点です。
それでは、デジタルビジネスと呼ばれるものには一体どのような共通要素があるのでしょうか。パターンを紐解くことは、今後企業がデジタルビジネスを発展していくためのヒントになります。従来のプロセスと、デジタルビジネスは具体的にどう異なるか、いくつかの傾向を紹介します。
- 既存のテクノロジーを有効活用する
既にあるリソースを利用し、コストの削減、データの集約、そしてより優れた顧客体験の創造に活かすこと。デジタルビジネスにおいて、テクノロジーによって得られる「競争力」こそが重要です。コストの削減をするか、あるいは新しい価値を顧客へ提供するか、どちらの手段も「競争力」に繋がります。 - 最先端のビジネスコンセプトへ適応する
デジタルトランスフォーメーションと、それに伴う文化変革がいかに重要か理解されていること。 デジタルサービスの導入・管理には、組織の再編成が不可欠であり、人材の確保、そして経営戦略の決断そのものにITが深く関わってくることを受け入れる環境が必要です。 - 顧客体験重視の新ビジネスモデルを模索する
カスタマーエクスペリエンスこそがデジタル戦略の中心にあるべきであり、その思想のもとビジネスを考えること。 ユーザは、より特別でユニークな体験とサービスを望んでおり、そういった体験は他社サービスとの差別化において大きな意味を持ちます。 カスタマーエクスペリエンスの改善へ圧倒的に注力する姿勢こそが、デジタルビジネスにおいて成功する近道となりうるのです。
デジタルビジネス vs E-ビジネス
デジタルビジネスは、企業がいかにテクノロジーを用いて、ユニークで新しい価値や体験を創造し、競合と差別化することに注力されます。
デジタルビジネスとE-ビジネスはどう違うのでしょうか?E-ビジネスは、既存のビジネスモデルからは独立して成り立ち、効率化の徹底や、作業重複の回避はさほど重視されないという点で、全く違う概念であると言えます。
オンラインでクレジットカード情報を入力することは、たしかに用紙の削減にはなりますが、顧客にとって全く新しく、斬新な体験であるかというと、そうではありません。
デジタルビジネスは、企業がいかにテクノロジーを用いて、ユニークで新しい価値や体験を創造し、競合と差別化することに注力されます。
デジタルビジネスの成功例
・Uber
Uberは、急速なスマートフォン普及に目をつけ、比較的低い資本資産で維持可能なビジネスモデル構築に成功しました。従来のタクシービジネスでは、車を所有し、維持するだけでなく、従業員の募集や管理に膨大の経費がかかっていました。Uberが提供するタクシーオンラインサービスで、利用者は、本質的な経験は同じままに、タクシーをオンラインで予約したり、過去の乗車履歴などを見ることも可能になりました。Uberのサービスは、インターネットを介して人々とドライバーをつなぐ大規模プラットフォームであるだけでなく、従来のサービスを更に改善された形で体験できるものす。
・Netflix
Netflixは、E-ビジネスからデジタルビジネスに成長した企業のとても良い例です。もともとNetflixは、在庫システムを管理し、DVDを郵送する技術を用いることで、より便利なサービスを提供していましたが、結局のところ他のレンタル店とさほど変わらない体験提供にとどまっていました。
しかし、利用者がオンデマンドで動画をストリーミングできる仕組みへと変革を遂げ、世界中の人々の映画・テレビメディアの楽しみ方を劇的に変えました。いつでもどこでも映画とテレビ番組が楽しめるNetflixサービスの構築は、現状のインターネット普及率がなければ不可能だったとも言えるでしょう。
・Disney
ディズニーは昔から、テーマパークでの体験をよりリッチにするために、デジタル技術を積極的に活用しています。中でも、MagicBand(マジックバンド)というリストバンドは、パーク内のセンサーと接続するために、RFIDとラジオ技術を活用しています。テーマパーク体験の大部分を占める5つの要素(※)を、より改善することが目的であると言われています。ゲストは、ディズニーへ訪問する数週間前にMagicBandを受け取り、それを使って入場し、食べ物やお土産を購入できるほか、アトラクションの予約やリアルタイムの待ち時間を確認することができます。
※1. アトラクションの体験、2. ホテルでの滞在、3. レストランでの食事、4. 写真を友人や家族へ共有、5. お土産の購入
さいごに
デジタルビジネスの特長は、カスタマーエクスペリエンスを中心に据えビジネスモデルを検討し、デジタルテクノロジーの導入やシステムの運用管理をするという点で、デジタルトランスフォーメーションのコンセプトとよく似ています。デジタルビジネスは、目指すべき最終ゴールであり、デジタルトランスフォーメーションは企業がそのゴールへ辿り着くためのプロセス、ということをしっかりと理解する必要があるでしょう。
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