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B2B2Cとは?事例を交えメリットから課題を分かりやすく解説
B2B2Cとは「Business to Business to Consumer」の略称で、自社が消費者と直接取引せず、サードパーティーの仲介企業を介して消費者とつながるビジネスモデルを指します(B2B=企業間取引、B2C=企業と消費者間取引)。デジタルツールの普及により、消費者の期待が高まっていく中、広く採用されつつあるのがB2B2Cです。
本ブログでは、B2B2Cビジネスのメリットと課題について説明します。
はじめに
多くの企業が、B2BもしくはB2Cのいずれかのモデルでビジネスを展開していることから、今日でもこの2つのモデルがビジネス環境において非常に重要な位置を占めています。一方でデジタルツールが普及し、消費者の期待が高まっていく中、広く採用されつつあるのがB2B2Cです。
B2B2Cにより、B2B企業はB2Cのエクスペリエンスを活用して、より多くの顧客層にアプローチできるようになります。従来からあるモデルを参考にしながらも、B2B2Cモデルはビジネスに新しいアイディアをもたらすことができるとされています。その一方、B2B2C特有の課題もあるため、企業はメリット・デメリットを比較して注意深く検討する必要があります。
B2B2Cビジネスモデルの例
B2BとB2Cモデルの例は多く見られますが、B2B2Cは、アマゾンや楽天、ウーバーイーツなどの大手企業のモデルはすぐに思いつきますが、他にどのようなものがあるのでしょうか。
以下に4社の事例を紹介します:
① Instacart社
Instacart社は、食料品のショッピングエクスペリエンスをデジタル化して提供するB2B2Cのスタートアップ企業です。オンラインサービスの提供に必須のデジタル化が出来ていない小売店のプラットフォームパートナーとして機能しています。こうしたB2B2Cモデルにより、Instacart社では顧客となる小売店の認知度や既存顧客、店舗在庫等を利用でき、小売店側は、Instacart社のテクノロジーを通して利益を得ることができます。
② Pladur社
スペインの大手壁材メーカーであるPladur社は、B2B2CのECプラットフォームで競合他社との差別化を図っています。従業員、卸業者、顧客全員が同じプラットフォームを利用することで、購買エクスペリエンスの使いやすさ、物流と製造管理との連動、注文処理プロセスのリードタイムの大幅な短縮を実現できました。
③ Tuff Shed社
全米に店舗を展開している倉庫やガレージメーカーのTuff Shed社では、Home Depot社といった全米規模の小売業者とのB2B2Cパートナーシップにより、消費者が小売事業者の店舗に設置しているデバイスからTuff Shed社のオンライン製品ビルダーにアクセスできるようにしました。これにより、小売事業者は自社で取り扱いのない商品を販売でき、一方Tuff Shed社は自社のブランドを確立しつつ、顧客データも収集することができます。
④ AZA Finance社
115ヵ国以上で事業を展開するAZA Finance社は「アフリカでのビジネス展開をもっと簡単に」という目標があります。同社は他国の企業と自社の顧客を結ぶ仲介企業の役割を担っており、複数の通貨にまたがる金融テクノロジーソリューションを提供することで、国際商取引を行いやすくしています。
B2B2Cビジネスモデルのメリット
消費者からの期待がますます多岐に渡り複雑化しているため、企業は業務の拡大と発注管理に頭を悩ませています。このように新たに発生した課題に取り組むため、多くのB2C企業がB2B2Cモデルを提供する仲介企業と提携しようとしています。
① どこからでも消費者と取引が可能に
B2C企業は、自社での顧客データの収集と利用には限界があると感じています。B2B2Cビジネスモデルを利用している企業は消費者とも直接やり取りできるため、パーソナライズされた提案を行えるため、結果としてデジタルエクスペリエンスを強化でき、三方よしの関係を築けます。
② 運用コストの削減
消費者の期待が高まるに連れ、運用コストも増大していきます。この課題を解決するため、企業はB2B2Cアプローチを用いて物流コストを抑え、間接費を削減できます。同様に、多額の資金を必要とする新規産業への参入や新規ソリューションの提供にかかるコストも実質的に複数の企業で配分することができます。
③ 収益機会の拡大
B2B2Cモデルは、企業の経済的な成長を促すチャンスでもあり、他企業とパートナーシップを結ぶことで、以下を実現できます。
- 新規市場への参入
- より広い顧客層へのアプローチ
- 既存リソースの活用
- 新たな手段を模索する際に必要となる資金負担の分配など
④ ブランドと価格に関する管理の維持
B2BのECモデルでは、企業は自社商品の位置づけや販売をあまり管理できていません。管理ができない場合、ブランドアイデンティティを失うことになり、消費者が期待する品質を担う提供元のメーカーやサプライヤーをエンドカスタマーは認識しないままとなってしまいます。B2B2Cモデルでは、こうした課題を解決するため、企業とエンドカスタマーがさらに直接的に関われるようにします。商品の価格、プレゼンテーション、マーケティングを管理できるようになれば、企業はいわゆる「有名ブランド」となり、新規顧客を獲得できる可能性が高くなります。
B2B2Cの課題
需要が拡大しているB2B2CのECにはメリットもある反面、B2B2Cが比較的新しいビジネスモデルのため、いくつかの課題もあります。
以下では、B2B2Cアプローチの普及を阻む要因を紹介します:
① 高まる需要
B2B2C企業では、増加する顧客の需要管理のためのリソースがありますが、それでも他のモデル企業と同じような課題に直面しています。投資収益率(ROI)を損なうことなく、パーソナライズされたシームレスなエクスペリエンスを提供するにはどのようにしたら良いのか、と疑問を持つ企業の一部では、比較的新しいアプローチに挑戦する必要のない他の使い慣れたECモデルを採択する場合もあります。
② 複雑な関係性
B2B2Cには、従来のB2BもしくはB2Cモデルに比べ、多くのステークホルダーが存在します。企業は、消費者だけでなく仲介企業とも関係をうまく保ち、パートナーのニーズと消費者の期待とのバランスを取りながら、最適な販売環境を構築していかなければなりません。
③ カスタマーエクスペリエンスの管理
B2B2Cモデルへの切り替えは、重要な事案が起こった時と同じように、消費者との関係を見直す必要があります。B2B2Cモデルでは仲介企業が介入するため、企業はこの介入がカスタマーエクスペリエンスに与える影響について深く考慮する必要があります。
④ 必要となる投資
B2BやB2CのビジネスモデルからB2B2Cモデルに切り替える際には、先行投資が必要です。サードパーティーのビジネスソリューションとの統合と同時に、消費者と取引できるEコマースプラットフォームを強化するコストもこれに含まれます。
また、消費者データを企業と仲介企業で分散できるツールに投資し、すべてのステークホルダーがECエコシステムにおける利益を享受できるようにすることも必要です。
⑤ インフラストラクチャーの整備
B2B2Cビジネスにおける最も困難な課題は、基盤となるインフラストラクチャーを変更したり、全体にわたって見直したりする必要があることです。長年、決まった方法で商取引を行ってきた企業にとって、新しいものに切り替えるのは難しく、時間もかかり、不安を感じるものです。また、事業目標が変化するにつれて人材の役割、財政上の考慮事項やターゲットオーディエンスなども変わっていきます。
こうした大きな変更は、企業を全体的に再設計することのようにも思え、一部の企業には不安にしか感じられないことで、このようなロジスティックかつ企業文化的な課題は、企業の進歩を妨げる可能性もあります。
さいごに
B2B2Cモデルで、課題を回避しながらそのメリットを最大化するには、消費者ニーズと仲介企業の要件の境界を越えなければなりません。この点を別々に考えがちですが、ビジネスでは2つの視点を融合させ、新しく、将来性のあるものを生み出す必要があるでしょう。
そのため、下記4つの機能において優れたアプローチを取ることが重要です。
- セルフサービスアカウント管理
- 注文管理
- 購買エクスペリエンス
- プロダクトコンテンツエクスペリエンス
真にシームレスなB2B2Cエクスペリエンスを実現するためには、4つの機能を1つのシステムに統合する必要があります。大企業向けポータルのLiferayでは、この統合を実現し、単一のシステムを提供することが可能です。
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