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カスタマーポータルにおける2023年の上位トレンド10とは
本記事では、顧客だけでなく、社内チームの効率性も最大限まで高めるカスタマーポータルの2023年における10の上位トレンドをご紹介します。
ビジネスの健全性を維持するには、顧客の満足度を高めることが大前提です。とはいえ近年は、世界的なパンデミックや経済不安といった混乱から、顧客はデジタルソリューションに多くの期待を寄せており、企業側ではその高まる期待に応えることがますます難しくなっています。こうしたニーズを満たすには、カスタマーエクスペリエンス(CX)をエンドツーエンドでサポートできるツールやプロセスを整備することが必要です。
しかし、多くの企業では、適切なツールがなかったり、バラバラなツールを使用していたりと、満足のいく統一されたユーザーエクスペリエンスを提供できていません。この問題を打開するには、顧客や顧客担当チームに最新のカスタマーポータルを提供することが必須となります。
目次
カスタマーポータルとは
カスタマーポータルでは、必要なツールや情報に一元的にアクセスできるため、顧客は自分のアカウントを管理し、貴社の製品やサービスを最大限活用することができます。通常、ポータルはプライベート領域であり、ログインにより保護されています。
カスタマーポータルは、以下の機能を提供することでユーザーエクスペリエンスを高めます。
- セルフサービス機能:個人情報の更新、注文・返品などの管理、サービスリクエストのスケジュール設定などが、顧客自身で行えます。
- パーソナライゼーション機能:顧客が欲しい情報を1つのビューに自動で表示することで、マニュアルだけでなく注文情報やお知らせなど購買に関するあらゆる情報を把握しやすくします。
- 強力な検索機能:関連するナレッジベース、コミュニティフォーラム、カスタマイズされた検索結果リストにより、顧客は求める情報をすぐに見つけられます。
カスタマーポータルによる優れたデジタルCXの提供
カスタマーポータルでは、顧客が探している情報を見つけやすくしたり、ヘルプセンターに問い合わせることなく顧客自身で問題解決できるようにしたりすることで、従業員をより優先度の高いタスクに集中させることもできます。また、サイト上でのユーザー行動を追跡することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させていきます。例えば、ユーザーデータを利用してオプション製品をおすすめとして自動表示したり、サイト内の検索時に、より関連のあるコンテンツを表示したりします。
最終的に、顧客と社内チーム、両者の業務を効率化するためのツールや機能が備わっていることが優れたカスタマーポータルといえるでしょう。
しかし、どのカスタマーポータルでも同じように構築されているわけではありません[1]。最適化されたシームレスなデジタルエクスペリエンスを実現し、より少ないリソースでより多くの顧客にサービスを提供するには、以下のようなカスタマーポータルを構築することが不可欠です。
- サイロ化しているシステムを1つに統合し、使いやすいセルフサービスプラットフォームを構築
- パブリッシングツールにより、常に最新のコンテンツを提供
- 社内チームによる長期的な改善施策の展開が可能
EBOOK:
5 Ways a Customer Portal Can Help Your Teams and Customers Be More Efficient
チームを最大限に効率化するカスタマーポータルの基本要素については、下記の資料をご覧ください。
CXにおける10の上位トレンド
最新の顧客ニーズに合わせるために、同業他社はどのような対応をしているのか、自社はどのようなトレンドを取り入れるべきか頭を悩ませている企業も少なくないでしょう。
そこで参考としていただきたいのが、以下のカスタマーサービスポータルやデジタルエクスペリエンス分野におけるトレンド、トップ10です。
1. より高度なパーソナライゼーション機能
ここ十数年、パーソナライゼーション機能は最も成功を収めたデジタル戦略の中心に位置してきました。しかし、この分野の進化に伴い、カスタマーサポートの競争力も高まると同時にユーザーの期待も高まっていきました。
実際、ガートナー社によると、86%ものB2B顧客[2]が、企業とやり取りする場合に自分の情報を「熟知」していることを期待しています。カスタマーポータルでは、個人情報を一元管理し、ユーザー行動を1か所で把握できるだけでなく、データを活用してカスタマイズした関連コンテンツを定期的に提供できます。このプロセスを自動化することで、顧客の期待に常に応え、その期待をさらに超えることができるほか、顧客満足を継続的に達成できます。
2. 分析とデータの活用が不可欠
ほとんどのカスタマーポータルには、従来の分析ツールが備わっており、ユーザー行動や人気のあるページ、コンテンツパフォーマンスといったデータをトラッキングできます。この方法は、長期的にサイトを改善していくのに有効です。実際、カスタマーサービス責任者の84% [3]が、2023年の目標を達成するための最優先事項として、顧客データと分析の活用を挙げています。
ポータルの真の機能は、さまざまなデータソースへ接続できることです。つまり、バラバラなシステムからデータを自動的に取得し、単一のビューやダッシュボードに表示します。これにより、新たなインサイトを得ることができるため、業務改善にもつながります。具体例としては、顧客サポートチームがCRM(顧客管理)データをチケット管理システムと相互参照し、問題に対応する時間が顧客の支出にどのような影響を与えているかを把握することで、リスクの高い顧客を特定することができます。
3. データプライバシーと保護の重要性
データは顧客が求めるエクスペリエンスを提供できる一方で、ユーザーのプライバシーや情報を保護する責任も伴います。ガートナー社によるリサーチでは、84%もの企業[4]が、新しいソリューション導入について意思決定する際、データプライバシーが「最も重要な要因」だと回答しています。この結果からもわかるように、カスタマーポータルには、個人や企業をデータ漏洩から保護する強力なセキュリティ機能が内蔵されていることが必須です。
4. より迅速なサポート
CXの専門家であるジェイ・ベア氏がまとめた新たなレポートによると、セキュリティ以外では、約67%の顧客[5]が価格と同様にスピードを重視しています。事実、半数以上の顧客が、コストがかかったとしても対応が早かった企業に依頼したという報告があります。つまり、B2Bの場合、カスタマーポータルには、ユーザーが解決策をすばやく見つけ出せる使いやすいセルフサービス機能が必要なのです。
5. 24時間365日のサポート体制
カスタマーポータルにおいて、効率性とアクセシビリティは密接に関連しています。顧客はすばやい対応や問題解決だけでなく、企業とのやり取りの中に柔軟性も求めています。つまり、迅速な対応に加えて、24時間年中無休でポータルを利用できることを期待しているのです。それゆえに、安全なログインでいつでも好きな時に顧客が自身のアカウントにアクセスでき、パーソナライズされたコンテンツを入手できるようにしておくことが不可欠です。
6. チャット機能の提供
セルフサービスをさらに充実させるには、進化し続けているチャットボット機能の導入が有効です。マッキンゼー社のレポートによれば、65%の企業で、セルフサービスツールの導入後、電話による問い合わせ件数が大幅に減少した[6]という結果が出ています。チャット機能を使えば、顧客からの大半の質問にスピーディーかつ24時間365日体制で対応できるため、サポート担当者はより重要なタスクへの対応に集中できます。
7. 最先端のAI技術
人工知能(AI)や機械学習(ML)といった最新の技術により、チャットボットとその他のセルフサービスツールの機能は大幅な進化を続けています。こうした自然言語処理能力に優れたAI搭載のチャットボットを導入することで、顧客に即座に対応できるだけでなく、企業のサポート業務を拡張することができます。
8. モバイル対応
B2B顧客には若いデジタルネイティブ世代が増加しつつあるため、モバイル対応のカスタマーサポートの需要も高まっています。げんに、モバイル機器を使って企業にサポートの問い合わせをするユーザーは78%[7]にもなります。それゆえに、カスタマーポータルで、デスクトップやモバイルなどのデバイスを問わず、一貫したエクスペリエンスを提供できなければ、貴重なタッチポイントを逃し、見込み顧客や固定客までも遠ざけてしまうかもしれません。
9. シームレスなマルチチャネルカスタマーエクスペリエンス
顧客は、Webサイトからモバイルアプリへの移行だけでなく、あらゆるタッチポイントでのシームレスな体験を求めています。それには、顧客自身が移動しなければならないようなバラバラなシステムをつなぎ合わせるだけでは不十分で、Webブラウザ、電話、メール、メッセージなどあらゆるオムニチャネルによる一貫したエクスペリエンスを提供する必要があります。すなわち、ユーザーデータを活用して、顧客とのやり取りをパーソナライズすることで、顧客が時間を効率的に使えるようにします。
カスタマーポータルでは、顧客を自動的に承認プロセスにルーティングしたり、問い合わせ内容に応じて適切な担当者を割り振ったりするなど、シームレスなエクスペリエンスを実現できます。また、1か所でのコンテンツ作成やさまざまなチャネル(スマート/IoTデバイス、キオスク、バーチャルアシスタントなど)での配信や表示に合わせた最適化なども簡単に行えます。
10. DXPによるエクスペリエンス管理
顧客の期待が高まるにつれ、企業はセルフサービスのある機能に特化した個別のツールを求めがちですが、そのようなツールを1か所に統合できると同時に最新のセルフサービスを総合的に提供できるプラットフォームがなければ、バラバラな一貫性のないエクスペリエンスとなってしまうでしょう。
デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)[8]には、必要なツールがすべて備わっているため、顧客サポート時のやり取りをスムーズに進めるだけでなく、ユーザー行動の視認性も高められます。既存システムを統合し、追加設定なしで使えるセルフサービスツールを導入したDXPを利用することで、信頼性の高い、一貫性のあるスケーラブルなデジタルエクスペリエンスを顧客に提供できます。
Liferay DXPで優れたデジタルエクスペリエンスを構築
弊社製品であるLiferay DXPでは、単一のプラットフォームで、あらゆるタッチポイントでのカスタマーエクスペリエンスを管理・統合できます。
詳しくはこちらカスタマーポータルに必須の機能
カスタマーポータルに不可欠な機能とは、どのようなものか以下にご紹介します。
他社の成功事例についてはこちらをご参照ください(英語のみ)。
これまで述べてきたように、セルフサービスの基本的な要素として、24時間365日いつでもアクセスできること、問い合わせや問題にすばやく対応できること、どのチャネルを通じても一貫したサービスややり取りを提供できることは必須です。その他、カスタマーポータルは以下のメリットを提供します。
テックスタックのシステム統合:バラバラなシステムを統合することで、顧客は1つのシステムから必要なコンテンツ、ツール、リソースすべてにアクセスでき、同時に自社ブランドとの一貫性も保つことができます。
統一されたエクスペリエンス:ポータルと自社システムを統合することで、ワークフローの作成、インサイトの取得、プロセスの簡素化などが行え、最適かつ一貫したエクスペリエンスを顧客と従業員の双方にもたらします。
顧客のオンボーディングを効率化:スムーズなオンボーディングプロセスの提供は必須です。このプロセスが簡略化されているほど、顧客はすぐに貴社の製品やサービスの利点を実感できます。この結果、日常業務に取り入れたり、他の人にも薦めたりという可能性が高くなります。
必要な情報の検索しやすさ:顧客が求めているのは、疑問をすぐに解決できる方法です。そのため、ポータルのセルフサービス機能が、使いやすいインターフェース、シンプルなナビゲーション、強力な検索機能が備わっていれば、顧客は必要な情報を入手しやすくなります。
常に最新のポータルサイト:ポータルには、最新の情報を提供するツールが装備されているため、顧客だけでなく、社内チームのエクスペリエンス向上にも貢献します。
さいごに
本記事では、カスタマーポータルの最新トレンドについて、機能やメリットを中心にご紹介しました。最新のカスタマーポータルが顧客とビジネスにもたらすメリットについて、さらに詳しく知りたい方はこちらのeBookをお読みください。
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