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セルフサービスポータルでB2Bエクスペリエンスを最適化する4つの方法
ここ最近増えてきた、B2Bにおけるセルフサービス。本記事では、セルフサービスポータルでB2Bカスタマーエクスペリエンスを最適化する4つの方法をご紹介します。
なお、本記事は英文記事”4 Ways to Optimise B2B Customer Experience with Self-Service Portals”を日本語訳したものです。
目次
はじめに
※本記事では、社内ポータルなどの社内向けポータルや、取引先ポータルやカスタマーポータルなどの社外向けポータルに、セルフサービス機能を加えたものをセルフサービスポータルと記しています。
本記事を読む前に、「セルフサービス」について知りたい方は、以下の記事をご覧になってください。
B2CとB2Bにおけるセルフサービスの違い
「セルフサービスとは?セルフサービスとの違いや、そのメリットを事例を交えてご紹介します」では、B2Cにおけるセルフサービスにおいて説明しましたが、本記事ではB2Bにおけるセルフサービスに着目します。
B2CとB2Bでは顧客行動に違いがあるため、セルフサービスを考える際にも同じように考えるのは危険です。B2Cにおいては、個人が短時間で商品のサービスを評価して購買が決定されることが多いですが、B2Bにおいては、さまざまな意思決定者が長期にわたって購買対象物の効用やリスクを検討した上で購買が決定されます。B2Cの小売業界では以前からセルフサービスが一般的でしたが、B2Bにおいては、つい最近までセルフサービスの導入例を見ることはありませんでした。
ここ10年ほどの間にB2B企業においてセルフサービスの導入が始まった背景には、インターネットやeコマース関連の技術革新があります。高度なB2Bのeコマースプラットフォームが発展したことで、B2Bの顧客にB2Cの顧客と同じレベルの利便性が提供されるようになったのです。
B2Bではオンラインでの購入を希望する顧客が大半であり、そのオンライン購買エクスペリエンス全体はセルフサービスモデルを中心に展開されています。コロナの影響でオンライン化に拍車がかかっており、B2B企業はセルフサービスポータルの導入を優先させるべき状況にあります。
セルフサービスポータルと活用における注意点
セルフサービスポータルには、オンライン購買に必要な機能(カタログ閲覧、商品の選択、注文等)とは別に、外部の支援を受けずに顧客が自身で購入手続きを完了するために必要な機能も備わっています。この機能を、セルフサービス機能といいます。
セルフサービス機能の例:
- 利用ガイド
- よくある質問
- 使い方動画
- オンラインコミュニティ/フォーラム
- SNS連携
- 24時間365日対応カスタマーサービス
ただし、生身の人間を相手にする従来の営業・マーケティング・チャネルをセルフサービスポータルに完全に置き換えることは不可能です。B2Bのセルフサービスポータルはあくまでも、対面コミュニケーションの代替手段としてではなく、営業チームのサポート強化ツールとして使用するのが理想的です。
B2Bセルフサービスポータルの導入メリット
以上のことに留意し、最適な形でセルフサービスポータルを導入できれば、企業はコスト削減や人員配置の最適化などの事業の効率化、また、顧客満足度の向上を実現することができます。
事業の効率化
コスト削減
商品カタログやプロモーション用コンテンツなどをセルフサービスポータルに格納しておけば、企業はカタログの印刷代や郵送代を削減できます。また、セルフサービスポータルで顧客が問題を自分で解決できるようになれば、お問い合わせ数の削減にも繋がるためサポート人員を減らすことができ、コストの削減にもなります。
人員配置の最適化
セルフサービスポータルが適切に機能していれば、日々の見積りや発注、問い合わせ対応などに追われていた営業やサポート担当者は、別の業務に集中できます。例えば、サポート担当者はより複雑な問題や重要顧客への対応に、営業担当者は新規開拓に、より多くの時間を費やすことができます。
顧客満足度の向上
セルフサービスポータルにより、顧客は、商品をよりスピーディーに効率良く購入できるだけでなく、自律的に行動でき、購買行動の主導権を持つことができます。しかも、B2Bの購買担当者の大部分はB2Cでの購買体験を通してセルフサービスの利便性をすでに知っています。B2Bにおいても消費者レベルのエクスペリエンスを提供できれば、顧客ロイヤリティが高まり、売上にも繋がるでしょう。
カスタマーサービス向上のためにセルフサービスポータルを最適化するには
顧客のニーズに応えるのは容易ではありません。特に、B2Bでは特殊な要求をしてくる顧客に対して複雑な対応を強いられることもあります。シームレスなセルフサービスエクスペリエンスの提供には、相当な労力と綿密な計画が必要なのです。
以下、B2Bにおいてセルフサービスポータルを最適化する4つの方法をご紹介します。
- 豊富な情報の提供
商品や購買行動に関して生じた疑問に対する答えを顧客自身で見つけられるようにするには、商品の使い方ガイド、仕様などが豊富に記載された商品カタログ、使い方動画、商品情報などを含む一元的なナレッジベースを用意する必要があります。例えばFAQでは、注文や支払い時のオンラインプロセスについてすべての側面をカバーする必要があります。
- ユーザー自身に管理機能を提供
あまりにも手取り足取り教えてしまうと、B2Bのオンライン顧客体験が台無しになります。これを避けるために、顧客自身で商品カスタマイズ、注文の編集や修正、支払い等をヘルプセンターに連絡することなく、管理できるようにしなくてはなりません。
この対策の一手として、顧客が必要としている情報を顧客が見つけやすい場所に提示することが有効です。これが実現すれば、顧客は効率的に購買活動を進めることができます。逆に顧客は期待している情報をすぐに入手できなければ、顧客満足度は低下してしまいます。このため、セルフサービスポータルでは顧客が重要な情報を入手しやすくすることが必須です。 - スピードとシンプルさへの注力
顧客がセルフサービスを求めるのはスピードの向上を期待してのことです。複雑で時間がかかるプロセスであれば、顧客にとってはセルフサービス機能を使う理由がなくなってしまいます。セルフサービス機能を提供しようとしているB2B企業はこのことを念頭に置き、より速く、より便利なデジタルエクスペリエンスを提供できるよう、顧客向けのシステムやプロセスを簡素化・最適化する必要があります。
- 営業チームの顧客情報を活用
B2B企業の営業チームには、顧客のさまざまな問題に対する知識が豊富にあるため、この情報を活用すれば、シームレスなオンラインエクスペリエンスを提供することができます。
B2B企業は顧客が直面するさまざまな問題を予測して事前に解決策を用意しておいたり、あらゆる質問やトラブルシューティングに対応できるようにナレッジベースを強化しておくと良いでしょう。
購入後のサポートサービス
多くのパーソナライズ機能を組み込み、顧客ごとのニーズに合わせた購買エクスペリエンスを構成すれば、顧客体験はより優れたものになり、他社と比べて決定的な優位性を獲得することができます。しかし、それだけではカスタマーエクスペリエンス(CX)の提供ができているとは言えません。
B2B企業の中には、営業やマーケティングに注力しすぎて購入後のサポートが疎かになり、企業の目指すべきカスタマーエクスペリエンス(CX)の提供が実現できていないことも多々あります(CXについてはこちら)。弊社ポータルプラットフォームのLiferay DXPには、購入後のフェーズに焦点を当てた機能を追加することで、購入後のサポートについても支援することが可能です。
高度な機能を提供するには、基本機能しか持たないeコマースプラットフォームでは不十分です。弊社ポータルプラットフォームのLiferay DXPを用いてB2Bのeコマースの仕組みを再構成し、カスタマージャーニーに寄り添ったデジタルコマースを実現してみませんか。
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