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成功事例
【事例】カスタマーセルフサービスポータルがPutzmeister社のデジタル変革を推進
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建設および地下採掘の世界的リーダー企業であるPutzmeister社は、同社のグローバルなデジタルプロファイルの形成に役立つ、あらゆるオーディエンスに対応するプラットフォームを開発しました。
80%
ユーザー登録とオンボーディングのスピード
45:1
データメンテナンスの労力が削減
60%
IT部門バックエンド管理の労力が削減
概要と重要なポイント
- ユーザーエクスペリエンスの向上
Liferayベースのディーラーおよびカスタマーポータルのユーザーは、複数のログインを必要としないシングルサインオンにより、サードパーティソリューションのシームレスな利用を含む、すべてのサービスおよびアプリケーションにアクセスすることができるようになりました。
- 担当役割を基軸としたのパーソナライゼーション
Liferay DXPのきめ細かいセグメンテーション機能により、ユーザーは正しい情報を迅速に見つけることができ、ユーザーが関連するコンテンツ、データ、アプリケーション、サービスのみにアクセスできるようになりました。
- バックエンド管理作業の軽減
Liferay DXPの統合機能と自動化機能は、データのサイロ化を排除し、ビジネスプロセスを合理化し、ディーラーと顧客に時間とリソースを節約できるセルフサービス機能を提供するために不可欠でした。
Liferay導入の背景
バーデン・ヴュルテンベルク州アイヒタールに本社を置くPutzmeister社は、コンクリートの製造、運搬、舗装用のハイテク機械の開発、製造、販売を世界的に展開しています。
建設および地下工事のグローバル市場におけるリーダー企業の1つである同社は、1958年に設立され、ドバイのブルジュ・ハリファの建設、パナマ運河の拡張、ロサンゼルスのウィルシェア・グランドセンターなど、数多くの国際的な大規模プロジェクトに携わってきました。
20以上の支店、12言語、3,000人の従業員を擁するPutzmeister社は、ディーラー、顧客、業界から高い評価を得ています。
長年にわたり、同社は野心的なデジタル戦略を追求しており、2016年よりLiferayのソフトウェアソリューションを採用しています。
その協力関係は、Putzmeisterのグローバルに分散したコラボレーションプラットフォームを接続するプロジェクトから始まりました。Liferayをベースとしたイントラネットを導入した後、SAPと統合したアフターサービスプラットフォームとともにエクストラネットを導入しました。
これまで抱えていた課題
Putzmeister社のデジタル変革における最新のマイルストーンは、全方位的なオーディエンス・プラットフォームの設計と実装でした。
”MY Putzmeister”と名付けられたこのプラットフォームは、多くの課題に対処するために開発されました。
- MY Putzmeisterの最大の目標は、異種オンラインサービスとPutzmeisterデジタルユニバース内のプラットフォームを「1つの屋根の下」に統合することでした。つまり、ディーラー、顧客、従業員に対して、それぞれの権限に応じてパーソナライズされたコンテンツとデータを提供する単一のタッチポイントを構築し、既存のイントラネット、ウェブショップ、および車両管理ツールを統合することでした。
- 以前は、ユーザーは異なるサービスごとに複数のログインを行う必要があり、視覚的にも機能的にも異なるユーザーインターフェースをナビゲートし、どのアプリケーションにどのコンテンツやサービスが含まれているかを把握しなければなりませんでした。その結果、ユーザーエクスペリエンスは魅力的でシームレスな「真実の単一ソース」である必要がありました。
- もう一つの重要な目標は、時間のかかる複数のプラットフォーム上でのデータとコンテンツの冗長なメンテナンスを排除することでした。 異種技術スタックにより、製品情報や機械オプションなどのデータの変更や追加を行うには、バックエンドおよび接続アプリケーションの最大45か所でデータレコードを手動で編集する必要がありました。
「MY Putzmeisterに対するフィードバックは圧倒的に素晴らしいものでした。必要な情報がすべて1か所で入手できるため、当社の販売代理店は大喜びでした。」
My Putzmeisterプログラムマネージャー マーティン・ディーツ氏
導入
Putzmeisterチームは、いくつかのマイルストーンを含む5ヵ年計画の一環として、認定LiferayプラチナサービスパートナーであるUSUの支援を受け、プロジェクトを設計し、実施しました。PutzmeisterとUSU AGの成功したパートナーシップは、イントラネットとグローバルコラボレーションプラットフォームの導入にまでさかのぼります。
2018年半ばに要件を収集し、統合した後、当初はアフターセールスと新しいウェブショップの導入に重点が置かれました。
2020年半ばには、Liferayをベースとした新しいコーポレートサイトが公開されました。その後、ディーラーおよびカスタマーポータルの導入に焦点が移り、シンガポールでローンチし、その後まもなくアメリカ大陸でもローンチしました。
2021年8月までに、MY Putzmeisterはついにドイツを含むEMEA地域でも利用可能になりました。
MY Putzmeisterの顧客向けダッシュボード
効果
現在、MY Putzmeisterのプログラムチームは、Microsoft Azureの仮想マシン上でイントラネット、企業ウェブサイト、ディーラーおよび顧客ポータルを運用しています。これにより、編集管理されたコンテンツを提供するすべてのサービスは、Liferay DXPをベースとしています。さらに、ウェブショップ、保証、および車両管理などのサードパーティソリューションもシームレスに統合され、MY Putzmeisterからアクセスすることもできます。
ディーラーおよびカスタマーポータルの主な目的は、ユーザーの権限に基づいてパーソナライズされたコンテンツやデータを提供することであるため、Liferayのセグメント機能は非常に有益であることが証明されました。
この「すぐに使える」機能により、各ユーザーを明確に識別し、ユーザーセグメントに基づいて適切な権限を与えることができます。これは、ユーザーに異なる種類のアクセスレベルを設定できる大企業の顧客にとって非常に実用的な機能です。例えば、あるユーザーにはサービス業務の遂行へのアクセスを許可し、別のユーザーには予備部品の調達を許可する、といったことが可能です。
Liferay DXPに保存された製品情報(画像や文書など)は、「NO1SE」ウェブアプリを通じてアクセスすることができます。
結果
包括的なオムニオーディエンス・プラットフォームであるMY Putzmeisterは、Putzmeis社terの高いサービス品質と革新性を反映しています。さらに、このプラットフォームは、世界中の1,550人以上の顧客とディーラー、および2,800人の社内ユーザーにシームレスなデジタルエクスペリエンスを提供し、幅広いツールやアプリケーションへのアクセスを提供しています。
MY Putzmeisterには、以下のようなサービスが含まれています。
- 「サービスセンター」では、機械のサービスやサポートに関連する総合的な情報やウェブコンテンツを提供しています。(スペアパーツのカタログ、機械のソフトウェア更新を含めたダウンロード、また、サポートに依頼することなく顧客が問題を解決をしていただくためのトラブルシューティング動画など)
- 「マーケティングセンター」では、ディーラーがマーケティングや展示会用の資料(ロゴ、パンフレットなど)にアクセスできます。
- 「PM製品」には、機械の詳細(技術データ、パンフレット、製品比較)が含まれています。
「現在、約280の製品とそれらに関連するすべてのコンテンツ資産が、12言語でMY Putzmeisterで利用可能です。具体的には、このコンテンツとデータの量が利用可能になったスピードと柔軟性は、経営陣を興奮させ、Liferayを完全に納得させました」と、Putzmeister Holding GmbH社のウェブマスターであるHolger Bartholomä氏は説明します。その結果、MY Putzmeisterは成長を続け、毎月約50人の新規顧客とディーラーが登録しています。
その他の成果は以下の通りです。
ユーザーエクスペリエンスの向上
- シングルサインオン機能により、ユーザーはMY Putzmeisterで提供されるすべてのサービスとアプリケーションに1回のログインでアクセスできます。サードパーティのアプリケーションは同じドメインに統合されているため、一貫したユーザーインターフェースとシームレスなユーザーエクスペリエンスにより、ユーザーはこうした移行に気づきません。
- ディーラーと顧客は、権限と役割に応じてパーソナライズされたコンテンツ、サービス、アプリケーションを利用できます。これにより、正しい情報やコンテンツをより迅速に取得できるようになります。また、きめ細かな権限管理により、ユーザーは日常業務に必要なアプリケーションやサービスのみを起動できるようになります。
- また、カスタマーエクスペリエンスのパーソナライズは、Putzmeister社の IT部門にもメリットをもたらします。コンテンツのカテゴリー化により、許可されたユーザーグループまたはセグメントのみがアクセスできるようになります。さらに、ユーザーインターフェースもカスタマイズできます。ダッシュボードにタイルとして表示される頻繁に使用するアプリケーションを、上部に移動させることができます。
リソースの節約
- バックエンドの管理に費やされていた時間と労力は約60%削減され、IT部門のリソースを大幅に開放することに成功しました。すべての編集コンテンツとデータが中央データハブであるLiferay DXPで管理されるようになったため、重複したデータメンテナンスやデータサイロは過去のものとなりました。
- ユーザーは顧客またはディーラーとして登録し、セルフサービスで特定のアプリのアクティベーションをリクエストすることができます。サードパーティのチケットシステムであるServiceDeskをAPI経由で統合したことにより、これらのプロセスが自動化され、70~80%も高速化されました。リクエストはもはや転送する必要はなく、メールで手動で処理する必要もありません。
統合
- 製品データやオプション、Liferay DXPで利用可能なすべての画像や文書は、LiferayパートナーであるUSU AGが開発したウェブアプリでアクセスできます。NO1SEアプリ(ナンバーワンセールスエクスペリエンス)のおかげで、以前のスタンドアロンソリューションで必要だった冗長的なメンテナンス作業が不要になりました。次のステップは、オフラインでの利用を可能にすることです。これにより、アプリはユーザーのデバイスにコンテンツやデータをローカルに保存できるようになり、例えば建設現場などではオフラインでも簡単に表示できるようになります。
- Liferayをコンテンツの中心ハブとして活用することで、Putzmeister社の従業員は、ウェブサイト、NO1SEアプリ、製品コンフィギュレーターなど、さまざまなシナリオやタッチポイントでLiferay Content Management Systemのコンテンツを再利用できるようになります。
- SAP Commerce、SAP Concur Travel、Salesforceなどの柔軟なサードパーティソリューション統合により、多数のビジネスプロセスが最適化されました。さらに、API経由でも接続されているIoTソリューション「Machine Cockpit」は、リアルタイムの運用データ(燃料消費量、ポンプ性能など)を提供し、さまざまな評価/分析オプションを提供します。
高いユーザー満足度と将来性
- MY Putzmeisterに対するフィードバックでは、ユーザーエクスペリエンスの向上、大幅なリソースの節約、柔軟な統合オプションが、社外ユーザー(顧客およびディーラー)および社内ユーザー(IT部門、マーケティング)の両方から熱狂的に受け入れられていることが示されました。
- プラットフォームの優れた柔軟性と拡張性、そして高い安定性と24時間365日の可用性が組み合わさったことで、Liferay DXPは、Putzmeister社のすべてのターゲットグループに一貫したカスタマーエクスペリエンスと、関連情報をすべて含む単一の情報源を提供できる理想的なソリューションとなっています。
今後の展望
Putzmeister社の世界中に広がったコラボレーションプラットフォームを接続することから始まったプロジェクトは、今では同社のグローバルなデジタルの顔となり、企業ウェブサイトや顧客およびディーラー向けのセルフサービスポータルサイトを含んでいます。
これまでの成功を踏まえ、Putzmeister社はLiferayを長期的に活用し、プラットフォームの継続的な進化を目指していく予定です。
Liferay DXPの現行バージョンへのアップデートも計画されています。
Holger Bartholomä氏は次のように説明しています。
「ワークショップで多くの新機能について詳しく検討することができ、非常に楽しみです。検索機能の改善、ドキュメントショッピングカートの導入、ディーラーのセルフサービスの拡張などの目標に取り組みたいと考えています。」
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