【ライフレイCEOインタビュー後編】CEOが語る、日本市場の魅力・今後のプロダクト開発の方針とは
日本法人設立10周年記念インタビュー後編
はじめに
2020年はじめから始まったパンデミック。ビジネスの往来がようやく解禁した2022年の初秋、日本法人設立10周年を祝うためライフレイCEOのBryan Cheung(ブライアン・チャング:以下ブライアン)が約3年ぶりに東京を訪れました。
この貴重な機会に、日本市場について、さらに今後のプロダクト開発の方針について詳しくインタビューをしました。
前編のカルチャー編についてはこちらから。
インタビュー
ーAPAC本部を日本に置く理由として、日本市場におけるDXの可能性について言及されました。具体的にはどういう点が魅力的なのでしょうか。
(ブライアン)日本はGDPが世界で3位という経済規模ながら、他の先進国に比べDXが進んでいません。特に大企業においても、数年以上前から利用しているツールを使い続けている例も聞きます。
ただコロナ禍において風向きが大きく変わり、DXに投資する企業が続々と増えてきています。そういった点からDX関連のソリューションを導入する企業はどんどん増えていくと考えられるため、日本市場の成長を期待してます。
ー日本市場で推進していきたいソリューションはどういったものでしょうか。
(ブライアン)既に住友商事様や名古屋大学様に導入していただいている社内ポータルは、どんな業界の企業にも導入ができるソリューションです。実際に大手調査企業ガートナー社よりB2E(対従業員)分野において、業界最高スコアを獲得しており(※1)、情報共有を効率化し、従業員エンゲージメントを高めることは、企業活動に必要なDXの1つでしょう。
他にも、弊社の強みであるB2B向けの取引先(サプライヤー・バイヤー)・パートナーポータルの導入も推奨したいです。大手調査機関であるIDC Japan様と共同で先日公開したポータル市場レポート『IDC Infobrief』にて、半数近くの大企業が社外ポータルを未導入であるという結果も出ています。
社外の関係者に対する情報共有において、ポータルソリューションを導入することで情報共有の質の向上やコミュニケーションの効率化を期待できます。
さらに、日本市場・商習慣に合った機能の実装にも前向きに取り組み、営業・マーケティング活動を通じた日本市場におけるライフレイの知名度向上を目指します。
あらゆる業務フローをシンプルにし、ポータルの運用・管理のメンテンナンスの工数も削減できる弊社のプロダクトは、日本企業のDXを強力に支援できると信じています。
ーコロナ禍で日本のDXの需要が高まり、物理的な接触を控えつつ、今までの企業活動を継続させることは大きな課題でした。そういったリモートワークへの対応や需要についてどのように考えていますか。
(ブライアン)日本だけでなく、グローバルでもDXのうち、特にポータルソリューションへの需要が拡大しました。情報共有やコミュニケーションの基盤となるからでしょう。
既存のSlackなどを含めたコミュニケーションツールでは人との関わりは保てても、情報が流れやすいなど、情報のストック機能が弱いという側面があります。さらにその情報が公式なものなのか、個人的な意見なのかの判断も難しいでしょう。
見たい・知りたい・正しい情報を探すのが困難で、日々のフラストレーションが溜まりやすく、従業員の不満にも繋がります。
「自分に関係があり、今見る必要がある情報に簡単にたどり着ける」というのは、従業員エクスペリエンスを改善し、エンゲージメントを高めるために重要な観点です。
コミュニケーション機能を持つツールと情報共有機能を持つポータルを併用し、ツール利用目的をうまく補完していく仕組み作りが必要です。
ーリモートワークに対応する文脈や、トレンドとしてもオンプレミスからクラウドへ移行する例が増えています。ライフレイもこれまでのオンプレ・PaaS製品群に加え、Liferay Experience CloudというSaaSプロダクトのリリースを発表するなど、よりクラウドに重きを置いてますよね。
(ブライアン)そうですね。弊社としてもクラウドへの需要に応える製品を取り揃えています。PaaS環境でポータルの構築が可能なLiferay Experience Cloud Self-Managed(旧Liferay DXP Cloud)だけでなく、ようやく弊社初のSaaSプロダクトであるLiferay Experience Cloudをローンチできました。
弊社の全プロダクトにおいてもプロジェクトのスモールスタートは可能ですが、Liferay Experience Cloudは標準機能やかんたんなカスタマイズを用いることで、より迅速にプロジェクトを開始できる他、インフラからアプリの管理まで弊社が担うため、お客様の運用・管理の負担を軽減するメリットがあります。
そのため、Liferay DXPやLiferay Experience Cloud Self-Managedの強みである自由なカスタマイズが必要でない企業や、製品アップグレードを迅速かつ頻繁に適用したい企業にとっては、非常に魅力的なプロダクトだと考えています。
現状グローバルでも、ありがたいことにLiferay Experience Cloudをご利用してくださる企業が増えてきています。
日本市場においても、今後はクラウド対応だけに留まらず、SaaSとしての機能もさらに追加していきたいと考えています。
ー最後に今後の展望はありますか。
(ブライアン)Liferay Experience CloudがSaaSプロダクトとして認知されるようにサービス・サポートを充実させていきたいです。
Liferayプロダクト全体において、色々なソリューションがあり、一見複雑な製品に見えかねません。そのためカスタマーの要望に応えるようなソリューション・サービスを反映し、ターゲットにとってわかりやすい新製品も順次発表していきたいと思っています。
さいごに
以上、いかがでしたでしょうか。
ライフレイは、グローバルで従業員数が約1300名になったものの、非常にユニークなカルチャーが浸透している企業です。ブライアンのインタビュー記事 前編・後編を通じ、その特徴が少しでも伝われば幸いです。
今後もライフレイのさらなる発展にご期待ください!