【ライフレイCEOインタビュー前編】CEOが語る、この先も大事にしていきたい「ライフレイらしさ」
日本ライフレイ設立10周年記念、ライフレイCEOインタビュー前編
はじめに
2020年はじめから始まったパンデミック。ビジネスの往来がようやく解禁した2022年の初秋、日本法人設立10周年を祝うためライフレイCEOのBryan Cheung(ブライアン・チャング:以下ブライアン)が約3年ぶりに東京を訪れました。
この貴重な機会に、ブライアンに日本ライフレイについて、またコロナ禍の企業運営、特にカルチャーにまつわる話をインタビューした内容を公開いたします。
後編のプロダクト編についてはこちらから。
インタビュー
ー久々に訪れた日本はどうですか。
(ブライアン)訪れる度に思うのですが、アメリカと違い、細部にこだわる技術力がすばらしいですね。例えばスーパーで購入できる冷凍餃子。ただ焼くだけでパリパリの羽根を誰でも綺麗に焼き上げることができ、まるでお店で食べる餃子のようです。こういった質の高いプロダクトを見つけたりするのが毎回面白いですね。
ー今回は日本法人の設立10周年記念を祝いに来てくださいましたね。日本法人について質問です。アジアに進出している多くの外資企業は、APACの本部機能をシンガポールなどに置くことが多いですが、ライフレイは日本に本部を置いてます。これはなぜでしょうか。
(ブライアン)英語が公用語であることや、法人税も比較的低いシンガポールはアジアの中心としてビジネスを展開して行くには魅力的な場所であることは確かです。
しかしながら、日本はロジスティック、すなわち交通の便が良く、本社があるアメリカ・ロサンゼルスから、飛行機で1本で来れるという点で非常に便利です。
こういった環境だからこそ、APACの中心メンバーにとっても、アメリカとの往来の利便性を担保しつつ、日本での生活の基盤を築きやすいと評判です。
さらに個人的に、日本は政治的にもアジアの中では外に開かれている印象があります。他にもDXに前向きになってきている情勢も良いですよね。
そういった点からライフレイでは日本にAPAC本部を置いているのです。
ーAPACの中の日本支社メンバーはどういった役割を担っているのでしょうか。
(ブライアン)日本支社に所属するメンバーは日本市場に留まらず、APAC、ひいてはグローバルにおいて重要な役割を担ってくれています。
日本支社設立当初の2012年頃から数年は、実際のところ日本市場を開拓するというよりも、世界各地から24時間体制でサポートをできる体制を整えることに集中していました。
そのため日本支社における、日本市場を支えるメンバーについては、やっと中核となるメンツが揃ってきたというところでしょうか。Go to Marketチームこそ、まさしく日本支社メンバーという印象があります。今後のさらなる成長を期待しています。
ー日本支社でも2022年9月現在、従業員数が約40名にまで増えました。全社では1200名にも及び、どんどん増員がなされています。ライフレイ設立当初と比べてなにか変わったことはありますか。
(ブライアン)私の個人的な意見としてはライフレイの根幹は変わってないと感じています。今も尚、設立初期から苦楽を共にしたメンバーがライフレイの中心で一緒に頑張ってくれています。そういったメンバーと共に創り上げたライフレイのカルチャーはこれからもずっと大事にしていきたいと考えています。
特に日本支社は信頼の置ける中核のメンバーを中心に構成されていることから、人数が増えても、各支社でも間違いなく「ライフレイらしさ」は引き継がれていると感じています。
ーどんどん組織として成熟している印象です。スタートアップというフェーズからエンタープライズへ変遷し、どのような課題を感じられていますか。
(ブライアン)実のところ、過去3年間ほどは、カルチャーとパフォーマンスの間で様々な折衝がありました。ライフレイでは「一人ひとりの能力を最大化し助け合える世界をつくる」というミッションの元、個の良いところを着実に伸ばす中で、同時にパフォーマンスを追求する文化がありました。
一方で組織が大きくなる中で、求められるパフォーマンスや評価体制は異なります。そういったギャップをどう埋めていくかは試行錯誤の途中ではあります。
どれだけライフレイが大きくなったとしても、根幹にある大事なカルチャーは変わらず、一人ひとりが業務に対する責任感を持ってもらえるような意識の醸成を引き続き行っていきたいと思います。
採用にあたってもライフレイのビジョンに共感してくれる方とのご縁を大事にしているので、新しく入ってくる人がライフレイに馴染めるように、今後も「ライフレイらしさ」は大事にしていきたいと考えてます。
ーそういった「ライフレイらしさ」を新しく入ってきた人に伝達するのは、リモートワークを余儀なくされたコロナ禍では難しかったのではないのでしょうか。直接会えない中でライフレイのカルチャーの伝達やコミュニケーションへどういった課題があったでしょうか。
(ブライアン)業務面では、リモートワークの切替によってメリットがありました。例えば私を含むCxO同士のミーティングがオンラインで実施されることで、物理的な移動もなくなり、ミーティングの回数や手軽さが増え、コミュニケーションが増えたのは事実です。
一方で、オンラインならではのデメリットもあります。特にオンラインでのコミュニケーションは、パソコンから入ってくる情報が全てです。カメラ・音声・画質など、利用しているパソコンのスペックやネットワーク回線によって質が大きく左右されてしまいます。
いずれかが劣っているだけで、コミュニケーションが取りづらくなったり、鮮明に情報が入って来づらくなるのは、ストレスに繋がります。
またオンラインでの会話は誠意が伝わりづらいと思います。カメラをずっと凝視していないと、集中していないのではないかと勘ぐられてしまうこともあるでしょう。
他にも多岐に渡るSlack(社内コミュニケーションツール)のチャネルにおいて、気軽に質問をできる体制を作り、みんなうまく活用はしてくれていますが、それでも尚「ライフレイらしさ」を行き届かせるのは至難の業です。
しかしながら、直接会うと、五感を通してその人について理解し、記憶できます。今回も日本支社に来て久々に会ったメンバーも、直接顔を見た途端に、過去の記憶が蘇った感覚がありました。
そもそもカルチャーはコミュニティや人を通して伝達されるものだと考えています。コロナ前の予定も立てずランチに行き、身の上話をするだけでも色々なことを吸収できた頃を思うと、人とのつながりが希薄化しています。
そういったことから、コロナ禍が落ち着いた頃からは、直接顔を見て仕事をする場も担保しつつ、リモートワークの良いところも享受できるような、ハイブリット体制を築いていきたいですね。
さいごに
余すことなくインタビューに応えてくれたブライアン。続編では「ライフレイ社としての今後どういった方針でプロダクト・日本市場を開拓していくか」というテーマでのインタビューとなっています。ぜひお読み下さい。
関連リンク
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