【DXはデジタル化とは違う】デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?わかりやすく解説
近年取り組みが活発化しているデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義、メリット・課題を説明します。DXレポートが与えた衝撃や海外企業と日本企業の取り組み方やデジタル化との違い、最新事例をわかりやすく紹介します。
目次
DXとは - そもそもDXとはなにを指している?
近年のデジタル化に伴い注目度が高まっているデジタルトランスフォーメーション(DX)。しかし、最近ではDXという言葉が一人歩きし、正確にDXについて理解できていない人も多いのではないでしょうか。
DXの定義を誤認して、誤った方向に施策を打って後悔することのないよう、まずはDXとは何を指しているのかをしっかりと理解する必要があります。
経済産業省が2020年末に公開したDXレポート2では、デジタルトランスフォーメーションは以下のように定義づけられています。
同省が2019年7月に公開したDX推進指標には、DXをデジタルトランスフォーメーション、デジタライゼーション、デジタイゼーションの3段階に分けてDX推進の簡易な自己診断を行うことができるとされており、デジタルトランスフォーメーションの達成にはデジタライゼーションとデジタイゼーションが必要であることが示されています(ここでは、デジタライゼーションは「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」、デジタイゼーションは「アナログ・物理データのデジタルデータ化」を指しています)[2]。
トランスフォーメーションが日本語で「変革」であることからもわかるように、デジタルトランスフォーメーションは「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」や「アナログ・物理データのデジタルデータ化」ではなく、あくまでも「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」、「“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」であるため、デジタライゼーションやデジタイゼーションと混同しないようにしましょう。
DXとIT化の違い
DXという言葉は近年急激に広まったため、DXの意味を上手く理解できていないまま、DXという言葉を使用する人が増えてしまいました。
特に、DXとIT化の違いがわからない人は多いのではないでしょうか。しかし、この二つの間には明確な違いがあります。
簡単に言うと、DXは、IT化を通じて実現する変革を指しており、この2つの概念が指し示しているものが違うことが分かります。
経済産業省が発表したDX推進ガイドラインによると、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義づけられています[2]。ここでいう「データやデジタル技術の活用」が一般に言うIT化であり、IT化はDXの手段であることが分かります。
DXとコロナ - コロナで高まったDXの緊急性と行われた意識改革
日本においてDXは2016年頃に登場し、徐々に進行していましたが、昨年のコロナウイルス大流行により、企業や顧客の間でDXの概念が浸透し、認識にも大きな変化が見られました。それぞれどのような変化が起こったのかを詳しく説明していきます。
企業の変化
2020年には、コロナによるテレワークの普及に対応し、多くの企業が業務体制の変革を迫られました。電通デジタルの調査によると、日本企業の46%と約半数が、コロナ禍において「業務効率化・生産性向上」の領域でDXが加速したと回答したとしており[3]、KPMGの調査によると、世界の80%の企業がロックダウン期間中に自社のDXが加速したと回答しています[4]。
しかし、コロナによって恩恵を受けることのできた企業もあれば、事業が停滞してしまった企業も多くあります。セールスフォース・ドットコムのコネクテッドカスタマーの最新事情によると、コロナ禍において早い段階で業績を立て直すことができた企業は、業種業態や企業規模を言い訳にせずに、能動的にDX対応ができた企業だと結論づけられています[5]。
ここから、企業の伝統的な価値観に縛られて企業文化の変革を躊躇うことが相対的に競合に遅れをとりうることになってしまうことがわかります。
今や企業にとって、DXの実行はITシステムの導入による業務効率化のみを意味しません。DX実行のために企業文化を刷新し、従業員の立場に立ってより良いワークプレイスを提供すること、また顧客の立場に立って新規事業を展開することは、企業にすぐに数字に表れないような価値を与えます。
企業がDXに着手する意義は、ROIだけでは測れないものになったのです。
この発見は、これまで多くの企業が疑問を持ってこなかった企業文化の変革に踏み込むきっかけになり、これからますます多くの企業が新たな時代での価値提供を実現していくことになるでしょう。
顧客の変化
セールスフォース・ドットコムが公開したコネクテッドカスタマーの最新事情では、顧客の54%は「企業はコロナ禍に対応した新しい製品とサービスを提供すべき」と回答し、69%が「すでに提供されている製品とサービスをコロナ禍に即した新しい形式に移行してほしい」と回答していることが明らかになっています[5]。
また、ソーシャルディスタンスを保つことが日常となった今、デジタルチャネルを含めた新たなエンゲージメントの方法が、特に若い世代の間で支持を得ていることが分かりました。
顧客の90%が「危機の最中にどのような行動を取るかで信頼できる企業なのかどうかがわかる」と回答していることからも分かるように、企業はコロナ禍こそ顧客のニーズの変化を正確に捉え、事業に反映していくことが求められています。
経済産業省が2020年末に公開したDXレポート2にも、企業が競争上の優位性を確立するには、常に変化する顧客・社会の課題を捉えて「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けることが重要だとされています[1]。
企業は、DXを単なるITシステムの導入と捉えるのをやめ、DXの実行によって、顧客中心のビジネスの構築がいかに企業にとって好影響をもたらすかという認識を持って次の行動を模索するべきです。
顧客や社会のニーズの変化を察知し、企業の固定観念を取り払って新たなビジネスモデルを構築することが、次世代で活躍できる企業をつくるでしょう。
DXの現状/課題 - DXレポート2で明らかになった日本企業のDXと2027年問題
多くの日本企業もDXへの取り組みを行っていますが、推進状況は好ましくありません。経済産業省もDXの遅れを危惧し、2018年にDX推進ガイドラインを策定しましたが、ほぼ状況は変わっていないと言えます[6]。
さらに、アビームコンサルティングが、大手企業の役職者500名以上にDXの推進状況に関する調査を行った結果、DXに成功したと実感している企業は約7%と非常に少ない現状が明らかになっています[7]。
データ引用:アビームコンサルティング株式会社
また、経済産業省が2019年時点での企業のDX推進状況を分析したところ、日本のDXへの取組が想定以上に遅れており、95%の企業はDXに全く取り組んでいないか取り組み始めた段階であることが明らかになりました[1]。
2020年には92%に減少し、改善が見られましたが、この調査に協力しなかった企業が多数あることから、それ以上の日本企業がDXに着手できておらず、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていないことが推測されます。
国内のDX推進状況を世界と比較してみても、日本企業がDXに遅れをとっていることがよく分かります。2019年にIDC Japanが発表した、日本企業と海外企業のDXに関する調査からは、日本企業が世界の企業に比べて、殆どの業務領域においてDXに遅れをとっていることが分かります[8]。
データ引用:IDC Japan
しかし、日本企業がDXに着手できていないのにもいくつか理由があります。DXの足枷となっている課題には、ROIの不透明さや認識の甘さなど多くの項目が存在しますが、ここではレガシーシステムに着目して説明します。
レガシーシステムとは、導入から相当な時間が経過し、最新テクノロジーの恩恵を受けるための拡張性や保守性が低減しているシステムのことです。
現状、IT予算のうち60−80%がレガシーシステムの運用・維持費用に使用されており、IT予算が新規事業の創出に当てられていない現状があります。企業はレガシーシステムを刷新して企業内のリソースを効率よく分配することで、企業は顧客中心の事業を行うことがことができ、企業価値の向上を見込むことができます。
また、既存の基幹システムのサポートが終了する2027年以降、国内で大規模な経済的損失が発生することが問題となっています[9]。この時起こりうる経済的損失は、既存システムの維持管理費の高騰化やシステムトラブルへの対応への遅延によるものです。
これは一般的に「2027年の崖」と呼ばれており、日本企業は大きな損失を避けるために早急にシステム刷新に着手する必要があります。
DXの先にある未来 - DXがサポートするデジタルイノベーション
それでは、DXを実現すれば、大きな経済損失を回避できるという以外に、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
経済産業省によるデジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討 ~ITシステムに関する課題を中心に~によると、IT関連費用の80%は現行システムの維持管理(ラン・ザ・ビジネス)に使われていることが分かります[10]。
DXにより組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化が進み、現行ビジネスの維持管理にかかるリソースが削減されれば、その分のリソースを顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革に当てることができます。
具体的には、レガシーシステムのラン・ザ・ビジネスに携わっていたIT人材が、新事業創出などの高付加価値な業務に携わることができるようになるため、多くの場所でデジタルイノベーションが起こりやすくなることが考えられます。
それでは、起こりうる新規事業にはどのようなものがあるでしょうか。
例えばメルカリは、顧客同士で商品をインターネット上で売買できるフリマアプリです。同アプリは、匿名発送システムを採用しているため、個人情報を互いに知られないままサービスを利用することができます。
メルカリは2015年にわずか500万だった累計ダウンロード数が2018年に世界で1億を突破するなど爆発的な成長を遂げており、2019年に同社が行った調査によれば、フリマアプリ及びオークションサイトの利用経験者のうちメルカリの利用者数が最も多く、他社のサービスを上回る指示を獲得しています[11]。
このサービスは、従来のようにインターネットオークションの競合として参入したサービスではなく、変わりゆく顧客のニーズを察知して誕生した新しいビジネスモデルである点が、ユニークな点です。また、このサービスは不用品を捨てるのではなく、他の人が再利用できるようにするという仕組みを作り出すことで、社会課題の解決も行っています。
メルカリは、顧客視点でニーズを捉え、ユーザビリティを重視してサービスを展開したことで、大きな成功を遂げることができたといえるでしょう。
顧客中心主義の念頭にしたDX推進をしている企業は、メルカリのように競合優位性を得て収益も増加する傾向にあることが明らかになっています[12]。
日本企業は世界の企業と比べ、DXを推進する上で「データの資本化/収益化」を重要視しているため、そのデータを基に顧客中心主義を推進することができれば、大きな競合優位性を得ることができるでしょう。
DX推進のためのポイント - 3つの戦略とIT導入に関するアドバイス
それでは、どのようにDXを推進していけば良いのでしょうか。ここでは、取るべき戦略を3点述べた上で、DX推進に不可欠なIT導入に関するポイントを説明していきます。
2020年12月に経済産業省が発表したDXレポート2によると、DXの推進にあたっては、企業は組織戦略、事業戦略、推進戦略といった3つのポイントを意識することが重要であるとしています。それでは、これらの戦略はそれぞれどのようなものなのでしょうか。順に説明していきます。
組織戦略
まず、企業のDXを成功させるためには企業が組織として一つになり、連携を取ることが非常に大切です。従業員間のコミュニケーションを円滑にして、DXの実現性を高めるためには、経営者が各部門をつなぐ役割を果たす必要があります。
そこで、経営トップには以下の2つの行動が求められています。
経営戦略・ビジョンの提示
まず、経営トップはDX推進に対する具体的な経営戦略やビジョンを策定する必要があります。
そのために、経営トップは世の中の流れをいち早く察知し、想定される社会変化に対応するために、データとデジタル技術の活用によって、社内外の事業においてどのような価値提供ができるか、或いはどのようなビジネスモデルを構築すべきかを柔軟に熟考する必要があります。
その上で、提示された経営戦略やビジョンが社内で共有され、従業員内でのコミュニケーションが円滑になると、スムーズなDX推進が可能になります。
DXは投資効果がすぐに現れにくいため投資が躊躇される動きもありますが、DXに対して投資する際は、コストのみでなくビジネスに与えるプラスのインパクトを考慮して判断することが重要です。プラスのインパクトはさまざまな形で現れるため、定量的なリターンやその確度を期待しすぎるのもよくないでしょう。DXが実現できずに市場から排除されるリスクなど、さまざまな可能性と向き合い、総合的に投資の意思決定を行いましょう。
コミットメント
また、DX推進に当たっては経営トップ自らが掲げた戦略に対して強い意志を持ってコミットメントすることも重要です。
経営戦略・ビジョンの提示だけでは口だけになってしまい、従業員は動きません。DXを成功させるには、従業員の反発を招くような企業全体の抜本的な見直しを行う必要が出てくることもあるでしょう。
その局面で、従業員の賛成を得ることができるかどうかは、経営トップの普段の取り組みにかかっています。大きな企業文化の変革の中、必要な変革を実行するに当たって経営トップ自らがリーダーシップを発揮し、覚悟を持って経営層や各部門を統率し、牽引していけるかがDXを成功させる上で非常に重要になってきます。
事業戦略
DXは「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」、「“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」の2つを指しており、この2つを行う順序は明確には決まっていませんが、一般的には、既存事業の効率化を実現するDXを行ってから、そこで生まれた余剰資金や人材を顧客中心の新事業創出に当てていくという順序を辿ります。
前章で述べた通り、現在国内の殆どの企業でIT予算がレガシーシステムの運用・維持費用に使用されていることから、DXにより既存事業の業績向上や技術負債軽減を実現することで、相当なリソースを確保することができるでしょう。
この方法を取れば、企業の経営体力を保ったままDXを実行していくことができます。
DX事業を推進する際に意識すべきポイント
こういった事業を推進するためには、CX(カスタマーエクスペリエンス)やEX(従業員エクスペリエンス)の重視が必須です。
CXは、ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験のことで、企業はCXを重視することにより、顧客が企業に対して感じる価値の向上を期待することができます。DX自体が顧客起点の価値創出のためのビジネスモデルの変革を目指すものであるため、CXを重視することはDX推進に大きく好影響を与えます。CXについてさらに詳しく知りたい方は、【完全版】 カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?わかりやすく解説をご覧ください。
また、EXを重要視することで、業務環境を改善を目的とした「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」を指すDXを期待することができます。これを達成した会社には、米国のコーチ社やドミノピザ社があります。
また言うまでもなく、EXを重視して従業員の企業に対する満足度を向上させることで、DX推進を担う最適な人材に価値提供し続けてもらうことは非常に重要です。
以上から、CXとEXの重視がDXの成功に繋がっていることが分かります。
こうした改革を実行する上で、大切なのは変化を恐れないマインドです。例えば2020年には、コロナによるテレワークや外出自粛といった急速な変化に対応し、勤務環境を迅速に変える必要がありました。
この時、Zoomなどのデジタルコミュニケーションツールの導入ができた企業のCEOのうち68%が、コロナ前に比べて従業員とのつながりをより強く感じており[13]、ITシステムのみならず企業文化を変革して固定観念を破壊することが企業に好影響を与えることが明らかになりました。
推進戦略
推進の方向性としては、「小さく始めて、段階的に全社的な取り組みにする」を意識することが大切です。
国内では伝統的に、ウォーターフォール型の組織体制をとったビジネスモデルに基づいて事業が進んでいますが、これでは、修正事項がある際に柔軟に変更を加えることが困難です。
DXは開発途中で仕様変更の必要が生じる可能性が高いプロジェクトであり、多くの企業にとって、DXがどういった形で達成されるかは不透明であるため、初期の要件定義が間違っていない前提でDXに取り組むことは非常にリスキーです。
後戻りのできない事態に陥らないように、まずは重点部門でDXを実行してから取り組みを全社的に拡大していく等、早期に改善点を見つけては修正を繰り返しながら事業を進めることが重要です。効率よくDXを実行するためには、ウォーターフォール型のビジネスモデルを見直し、アジャイル型のビジネスモデルを採用し、段階毎にスピード感を持ってDXに取り組むと良いでしょう。
また、DXを推進するにあたって、無視できないのがIT導入です。DXを成功させるためには、企業ごとに適したITシステムの導入、そしてITシステムを扱う人材の教育が必要になります。どれだけ有用なITシステムであっても、それを活かすことのできるITリテラシーを持った人材がいなければ、効果を発揮しません。
ITシステムの構築
企業は全面的にベンダー企業に要件定義を委ねていては、DXの成功を期待することはできません。企業は、新たに導入するシステムと既存のITシステムとの円滑な連携を確保するために、社内のITシステム体制を把握し、DXによって実現したい具体的な事業企画や業務企画を明確にした上でベンダーにシステム導入を依頼する必要があります。
この際、ベンダーからもさまざまな提案がされますが、「既存システムとスムーズに連携できるか」「企業の目的とはズレていないか」という観点を大切にすることで、企業にとって最適な形でDXを実現することができます。
システム導入後は、従業員が新しく構築したシステムを適切に扱えるように、ガイドラインを明記したマニュアルを作成し、ITシステムを最大限に活用していくための体制を整えることが重要です。
IT人材の確保、育成
DX推進のためには、ITシステムを構築するだけでは不十分であり、それを活用することのできる高度なITリテラシーを持つ人材の確保、育成が重要です。
ITシステムに詳しいSIerのサポートを受けることも一つの選択肢ですが、自社でITリテラシーの高い人材を雇用または育成することは大きなメリットがあります。
まず、自社のIT人材は自社の業務内容やシステムを深く理解しているため、自社に合ったITシステムの構築・運用ができます。ITシステムを適切に連携させることで、企業システムの一貫性を保てるため不具合も生じにくくなり、業務効率の向上にも繋がります。 社内にITに詳しい人材がいれば、不測の事態の際にも迅速かつ柔軟な対応が可能です。
構築から運用まで外部委託している場合、システムに障害が出た際に、それを復旧させるために追加費用や時間がかかる場合がありますが、そういったリスクは自社にIT人材を確保することで軽減できます。社内人材の育成には費用と時間がかかりますが、企業としてDX推進を迅速に行うためには、近道であると言えるでしょう。
社内にCIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)を設置することも、DX推進に向けた重要な戦略のひとつです。
CIOは、情報技術に関する責任者でIT導入を推進する役割を負い、CDOはDXの戦略策定と実行に責任を負う役職で、他部門と協働してデジタル戦略を進めていく役割を担います。
総務省の調査では、日本は海外企業に比べて、これらの役職の設置率が大幅に低いことがわかりました[14]。特にDXとの関連が深い役職とされるCDOの設置率は、5.0%の日本に比べて先進国のイギリスでは27.4%と、約5倍以上もの差があります。
データ引用: ICTによるイノベーションと新たなエコノミーに関する調査研究結果(平成30年)
これからのDX激戦化につれてCIOやCDOの重要性に対する認識が高まることにより、これらの役職が積極的に設置され、企業全体のDX推進が加速することが期待されています。
CDOとは違う役職として、CTO(最高トランスフォーメーション責任者)を設置する企業もあります。その場合、CTOはCEOの配下に就いて経営の視点からDXの実行に責任を持ち、CDOはデジタル技術を全社的に推進するという役割を担っています。
ポータルを活用したDX - 社内ポータルの活用によるイノベーション
Liferay DXPは、社内ポータルやカスタマーポータル、取引先ポータルの基盤となり、企業のDX推進を支援します。
ポータルソリューションを用いたデジタルトランスフォーメーション(DX)事例3選では、DXによって組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化や顧客起点の価値創出”のための事業を実現した企業の事例を詳しく紹介しています。
他にも多数の有名企業への導入事例を公式ウェブサイトで公開しているので、詳しくはこちらからご覧ください。
社内ポータルを活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)を実行することで得ることのできる効果には、様々なものがあります。詳しくは、デジタルトランスフォーメーション(DX)における社内ポータルの重要性をご覧ください。
まとめ
デジタルトランスフォーメーション(DX)は「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」或いは「“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」を指し、コロナ禍を通してその重要性が日本でも認識され始めています。
しかし、日本は他の先進国と比べて、DXがまだまだ進んでいるとは言えない状況です。DXが実現すれば、企業は真に顧客に求められている価値提供をすることができ、ますます企業価値を高めることができます。
DXを実現するために、まずは企業が1つの目標に向けて一丸となって行動を起こす必要があります。弊社は、社内ポータルやカスタマーポータル、取引先ポータルの基盤を提供することで、企業のDX推進を支援します。詳しくは、Liferay DXP 製品ページをご覧ください。
参照文献
[1] 経済産業省, ”DXレポート2”
[2] 経済産業省, “DX推進指標”
[3] 電通デジタル, “日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)”
[4] KPMGインターナショナル, “KPMGグローバルCEO調査2020”
[5] セールスフォース・ドットコム、”コネクテッドカスタマーの最新事情”
[6] 経済産業省, “デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0”
[7] アビームコンサルティング株式会社, “日本企業のDX取り組み実態調査”
[8] IDC Japan, “デジタルトランスフォーメーション(DX)動向調査”
[9] リードプラス株式会社, “SAP 2025年問題が2027年問題に、それでも企業がDXを進めるこれだけの理由”
[10] 経済産業省, “デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討 ~ITシステムに関する課題を中心に~”
[11] 株式会社メルカリ 第8期有価証券報告書
[12] KPMGインターナショナル, “No normal is the new normal ノーマルではないことがニュー・ノーマル"
[13] KPMGインターナショナル, “職場におけるDXに対する意識の変化”
[14] 総務省, “ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究”