カスタマーエクスペリエンスセルフサービス
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【2023年最新版】デジタルセルフサービスとは?セルフサービスとの違いや、そのメリットを事例を交えてご紹介します

DX推進につれて、国内外での注目が高まってきたセルフサービス。本記事では、セルフサービスの中でもデジタルセルフサービスについて詳しく紹介します。

セルフサービスとは


セルフサービスとは、通常は従業員が行うサービスを顧客が行うことで、低価格・短時間での買い物を可能にした商品・サービスの提供形態のことを指します。身近な例としては、消費者自らが商品精算を行うセルフレジや、顧客が自ら給油を行うセルフガソリンスタンドがあります。最近では飲食店において、配膳や片付けを顧客が行う形態をとるセルフサービス店舗の数も増えてきています。

一昔前までは、企業側はサービスの充実度を競っていましたが、近年ではサービスを削減しつつも顧客満足度を維持し、収益性の向上を図る動きが見え始めています。こういったセルフサービス機能を充実させることにより、企業は人件費抑制による収益性の向上を見込むことができるだけでなく、コロナの感染拡大により急速に重要なニーズとなった感染症対策も推進することができます。

デジタルセルフサービスとは


上記したようなセルフサービスの取り組みを、デジタル環境で行うようになったものをデジタルセルフサービスと言います。

デジタルセルフサービスは、ユーザーがデジタルチャネルを通じて問題を独自に解決したり質問に回答したりできるようにするソリューションのことを指します。デジタルセルフサービスは、カスタマーサービスとしても、社内の業務効率化ツールとしても使用されます。

カスタマーサービスの場合、顧客はトラブル時でもサポートに連絡することなく、簡単に操作できるインターフェイスを通して素早く情報を得ることができるため、顧客満足度の向上を期待することができます。社内ツールの場合、従業員が最小限の労力でトラブルに対処できるようになるため、業務効率化が期待できます。

『カスタマーポータルにセルフサービス機能が不可欠な理由』資料を読む

デジタルセルフサービスのメリット


企業はデジタルセルフサービスを採用することによって事業の効率化と顧客満足度や従業員満足度の向上という、大きく2つのメリットを受けることができます。

1. 事業の効率化

まず、サポート担当の従業員の負担が軽減し、従業員数と各従業員の労働時間の削減が可能になるため、ここで生まれた余剰労働力を高付加価値を生む業務に当てることができるようになります。そのため、企業は新規事業開拓も見据えた事業の成長を見込めるようになります。また、大量にサポート担当の従業員を雇うよりも、少数精鋭の従業員がサポートの充実化に注力した方が費用対効果が高いため、企業は全体のサポートコストの効率化を実現できます。

2. ユーザー満足度の向上

顧客や従業員といったユーザーの満足度については、質問対応件数の増加とサービスの均質化が実現することにより、大幅な向上が期待できます。またカスタマーサポートの場合、ユーザーのフィードバックを受けてサービスが改善されていくことでサービスの質が向上し、新規も含む全てのユーザーにとってより使いやすいものとなっていくなるため、アクティブ利用者数の増加を見込むことができます。このように、企業は事業の効率化を実現しながら、ユーザー満足度の向上を期待することができるのです。

これらのメリットをチャットボットによるカスタマーサポートの例を用いて説明すると、次のようになります。

従来のカスタマーサービスでは、コールセンターの従業員がリアルタイムで電話を通して顧客のトラブル解決をサポートしていため、顧客側は電話が繋がらなかったり、電話口で長く待たされたり、従業員の対応が悪かったりといったエクスぺリンスを受けることがありました。

しかし、チャットボットサービスを充実させれば、顧客は24時間いつでもサポートを受けることができるようになり、よくない対応をする従業員に悩ませられることもなくなります。企業側も、チャットボットで対応できるトラブルが増えれば、コールセンターの小規模化や従業員数の減少に応じてサポート費用を削減することができます。

『カスタマーサービスを収益に繋げる方法』資料を読む

デジタルセルフサービスの事例


大手保険企業のアリアンツ社は、弊社の大企業向けポータル製品 Liferay DXP を用いて構築したカスタマーポータルでデジタルセルフサービスを実現した結果、顧客満足度の向上を実現することができました。

同社は、データベースなどの既存システムを統合してポータルサイトをリニューアルしたことで、顧客データの一元管理を容易に行えるようになりました。新カスタマーポータル My Insurance Portfolio では、顧客が保険プランの検索や注文だけでなく、他社の保険管理までをできるようになったため、顧客にとって非常に使いやすいポータルとなりました。同社としても、顧客にシームレスなエクスペリエンスを提供することで、顧客に優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになりました。

アリアンツ社 My Insurance Portfolio

カスタマーエクスペリエンス(CX)については、【完全版】 カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?わかりやすく解説に詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。

まとめ


以上のように、企業はデジタルセルフサービスを実現することにより、様々なメリットを受けることができます。しかしデジタルセルフサービスを成功させるためには、ユーザーの視点に立って継続的にソリューションの構築や改善努力を行うことが重要です。企業は収益性の向上だけでなく、長期的な事業の効率化とユーザー満足度の向上を見据えてデジタルセルフサービスに取り組むことができると良いでしょう。

参照文献

[1] Liferay, “What is Digital Self-Service?
[2] Inbenta, “What is Digital Self-Service?